​【園長の葛藤】「人を増やす」のは最終手段。役職者に求められる“頭の柔らかさ”と育成のステップ

こんにちは、佐伯リノです。​

当園では、現場のマネジメントやシフト作成を主任にお願いしています。現場のことは現場を一番よく知るリーダーたちに任せる、それが私のスタンスだからです。​しかし先日、主任から「早出の職員の業務量が多すぎて、子どもが来るまでの時間内に仕事が終わらない。どう対応したらいいでしょうか?」という相談メールが届きました。​現場から悲鳴が上がったとき、役職者としてどう動くか。ここに、組織の成長のヒントが隠されています。

​■ 「困ったらすぐに園長へ」の違和感​

相談自体は悪いことではありません。ただ、私に飛んできたメールには「どうしていいか分からないので、園長決めてください」という空気が漂っていました。​「朝の業務が増えたので、早出の職員を増やした方がいいでしょうか?」​私は、この解決策に少し立ち止まりました。主任の役割は、現場で課題が起きたときに「どうすることがベストか」をまず自分自身で考え、いくつかの選択肢を持って園長に提案することのはずです。最終決定を園長に丸投げして、その通りに動くだけでは、現場のリーダーとしての役割を果たしているとは言えません。​

■ 「固定概念」という壁を壊す​

私は主任に、「まずは30分間の早出業務の内容を見直して、他の時間帯に回せるものがないか洗い出してほしい」と伝えました。​すると、彼女からは「これは別の時間に回せますが、残りのこれらはどうしても朝にやらなければいけないので、やっぱり職員を増やすべきです」という、少し安易な答えが返ってきたのです。​そこで私は、一つひとつの業務について「本当にこの時間じゃないとダメ?」「この作業は別の時間帯でも工夫次第でできるんじゃない?」と、丁寧に紐解いていきました。すると驚いたことに、「どうしても朝でなければならない」と思い込んでいた業務のほとんどが、実は別の時間帯でも対応できることだったのです。​役職者に必要なのは、この「頭の柔らかさ」です。業務が溢れたとき、すぐに「人員を増やす(体制を変更する)」というコストのかかる手段を選ぶのではなく、「まずは今の時間内で終わる仕事量に工夫できないか」を柔軟に考える。この優先順位を間違えてはいけないのです。

​■ 「めんどくさいアプローチ」こそが、人を育てる

​正解を1から10まで私が教えてしまえば、時間はかかりませんし、私も疲れません。でも、それをやってしまうと、主任は今後一切「自分で考えること」をしなくなってしまいます。​だから今回は、あえて時間がかかる方法を選びました。主任自身に考えて意見を出してもらい、それに対して「こういう視点もあるよ」と、“考え方のプロセス”を伝えることに徹したのです。​最終責任は園長である私が取ります。だからこそ、現場を預かるリーダーたちには、職員のために知恵を絞り、工夫する楽しさと責任を知ってほしいと願っています。

​■最後に

​人を育てるということは、本当にエネルギーが要ることで、時にどっと疲れるものです。でも、リーダーが育たなければ、現場の職員たちが本当の意味で守られることはありません。​「困ったら、まずは自分で仮説を立ててみる」そんな強い役職者を育てるために、私は今日も根気強く、問いかけを続けていこうと思います。​全国の園長先生、主任の先生。目の前の課題に対して、まずは「別の視点」から柔らかく考えてみませんか?

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