こんにちは、佐伯リノです。
前回の記事では、新しいチームでV字回復を遂げたお話を書きました。チームが新しくなれば、次に直面するのは「教育」という壁です。今日は、私が良かれと思って教育に力を入れた結果、現場を大混乱させてしまった失敗談をお話しします。
■「注意」が招いた、職員間の不信感
私が赴任した園は、もともと運営側が「運営」そのものに集中しており、保育士としての専門的な教育があまりされてこなかった背景がありました。そのため、職員同士のトラブルも多く、「誰々さんが、こんなことをしています!」という報告が私の耳にたくさん届くようになったのです。「なんとか解決しなきゃ」と責任感に燃えていた当時の私は、その報告を鵜呑みにして、相手の職員を呼び出しては注意をしていました。ところが、これが大きな間違いでした。
■「一方的な正義」は、組織を壊す
報告してくる人は、どうしても自分を守り、相手を悪く言ってしまうものです。私はそんな「一方的な意見」を信じ、相手の思いを聞かずに「こうしてください」と正論をぶつけてしまいました。すると現場では、「園長は、あの人の言うことしか信じない」「何々さんだって、あんなことしてたのに!」という反発が生まれ、お互いの悪い面を探し合うような、さらなる混乱を招いてしまったのです。一体、誰を信じればいいのか……。当時は役職者も不在で、組織が構築されていなかったこともあり、一人でこの問題に苦しめられたのを覚えています。
■相手を変える前に、私が変えた「アプローチ」
悩んだ末にたどり着いたのは、注意する前にまず「徹底的に聴く(傾聴)」ことでした。「何々さんがこうしていた」という報告を聞いても、すぐに注意には走りません。まずは対象の職員に、「最近どう? 悩んでいることない?」と、全く別の角度から声をかけるようにしたのです。さらに、問題が起きた時だけでなく、「定期的に一人ひとりと面談する時間」を意識的に作るようにしました。
■「何気ない話」が、信頼の土台を作る
面談といっても、堅苦しい仕事の話ばかりではありません。「最近、体調はどう?」「休みの日は何してるの?」といった何気ない日常の会話を大切にしました。実は、この「何気ない話」こそが、いざという時に本音を話してもらえる信頼の土台になるのです。日常的にコミュニケーションが取れていると、「実はプライベートで悩んでいて、保育に集中できていなかったんです」「本当はこうしたかったけれど、やり方がわからなくて……」といった、行動の裏にある本当の理由を、職員自ら話してくれるようになりました。一人の意見だけを聞いて判断してはいけない。人には、それぞれの理由がある。その当たり前のことに、ようやく気づけたのです。
■「褒める」から始まる成長のサイクル
今の私は、まず相手を「褒める」ことから始めるようにしています。「あなたのこういうところ、素敵だね。でも、ここを少し意識すると、もっと良くなると思うよ」もちろん、忙しくて心に余裕がない時は「なんでこれくらいできないの?」という感情が湧いてくることもあります。今でも毎日が反省の連続です。だからこそ、園長である私が「余裕を持つための訓練」をしなければならない。職員が「園長に気に入られたい」ではなく、「園長と一緒に頑張りたい」と思える平等な場所を作るために。
皆さんの園では、「自分の思い」を出せる場所はありますか?
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